下眼瞼形成の選択 – 脂肪除去 vs 目の下の脂肪再配置、その違いと限界
下眼瞼整形で最も議論の的となるテーマは「脂肪除去」と「目の下の脂肪再配置」です。ある医師は脂肪を除去すべきだと言い、またある医師は除去してはいけないと言います。それでは、何が正しいのでしょうか?
SH整形外科のキム・ソンフン院長が、実際の患者の症例と解剖学的根拠を通じて、2つの方法の違いと限界、
そして根本的な解決策である「目の下の脂肪再配置+隔膜補強+前頬リフティング」の必要性についてご説明いたします。
フェイスデザイナー SH整形外科 キム・ソンフン院長
「院長、ある病院では脂肪を必ず取るべきだと言われ、別の病院では絶対に取ってはいけないと言われました。一体何が正しいのでしょうか?」
40代前半の女性の患者様が、目の下のふくらみのお悩みで診察室を訪れた際におっしゃった言葉です。
この方は数年前から目の下がだんだん目立つようになり、メイクをしてもクマのように暗く見えると周囲から言われ始めました。
最初は疲れているからだろうと見過ごしていましたが、写真に写るいつも疲れて見えるご自身の姿を見て、ついにカウンセリングを受けることを決心されました。
問題は、病院ごとに説明がばらばらだったということです。
あるところでは「飛び出た脂肪が問題だからきれいに除去すべきだ」と言われ、別のところでは「脂肪は絶対に取ってはいけない、必ず再配置しなければならない」と言われました。
患者様の立場としては混乱せざるを得ませんでした。
何が正しいのか、どの方法が最も安全で効果的なのか分からなかったのです。
私は患者様に、まず下眼瞼の脂肪がなぜふくらむのか、そして単に脂肪だけで判断してはいけないという点を順を追って説明しました。目の下は単に「脂肪が多いから」飛び出るわけではありません。
脂肪を支えていた隔膜が伸びて支えきれなくなり、その隙間から脂肪が前に押し出されてくるのです。
さらに、前頬の脂肪が垂れて窪むことで、ふくらんだ部分と窪んだ部分が同時に現れ、より疲れて老けた印象を与えてしまうのです。
この患者様は、以前に脂肪除去手術を受けたご友人の体験談も聞いておられました。
「初めは良く見えたけれど、時間が経つと目が深く窪んでさらに疲れて見える」という話に恐怖を感じられたそうです。
反対に、脂肪再配置を受けた知人の場合は、初めは良さそうに見えたものの、何となく印象が大きく変わったわけではなく物足りないという感想も耳にされていました。
そこで私は申し上げました。
「脂肪除去だけでも、脂肪再配置だけでも何かが足りません。結局のところ核心は、脂肪を適切に扱うことだけでなく、隔膜を補強して前頬をリフティングする包括的なアプローチにあります」
この患者様は私の説明を聞いて、「ようやくパズルが組み合わさったようです」と安心された様子でした。
本日は、まさにこの事例のように多くの方が悩まれている脂肪除去と目の下の脂肪再配置の違いと限界についてお話しいたします。
目の下の脂肪ができる理由
多くの方が「なぜ目の下がどんどんふくらんで見えるのでしょうか?」と質問されます。
アイバッグ、すなわち目の下の脂肪は、単に年を取ったからできるわけではありません。
様々な要因が複合的に作用して現れるのです。
まず、目の周りを支えていた筋肉や組織が弱くなり、脂肪をしっかり支えられなくなります。
そのため脂肪がだんだん前に押し出され、その結果、目の下がふくらんで見えるのです。
年齢を重ねるにつれて肌の弾力が低下し、たるみが生じることも一因です。
皮膚が伸びることで、まるで小さな袋のように見える部分が形成されます。
もう一つ重要なのは、眼球を支えている脂肪体(パッド)です。
この脂肪が本来の位置にとどまらず前方へ突出すると、目の下がパンパンに腫れたような外見になってしまいます。
ここにアレルギーや塩分の過剰摂取といった生活習慣の要因によって体液がさらに溜まると、むくみや腫れが悪化し、目の下の脂肪が一段と目立つようになります。
つまり、目の下の脂肪は単に「太ったから」生じるものでもなく、「疲れているから」だけに現れるものでもありません。
筋肉や隔膜、脂肪、皮膚、そして生活習慣に至るまで、すべてが影響し合う複合的な結果であるとご理解ください。

下眼瞼(目の下)の脂肪が突出する理由

シンガポールのDr. Siewによる解剖図を見ると理解しやすいです。
緩んだ隔膜 – 本来は脂肪が前方へ出ないように抑えていた隔膜が伸びてしまい、本来の機能を果たせなくなります。
眼窩脂肪の突出 – 隔膜が弱くなることで、脂肪が前方へ押し出されます。
前頬(ミッドフェイス)脂肪の下垂 – 前頬のボリュームが失われることで、目の下のくぼみとほうれい線が同時に深くなります。
すなわち、単なる脂肪だけの問題ではなく、隔膜・脂肪・前頬が同時に関与する複合的な構造変化に対応する必要があります。
脂肪再配置 + 隔膜補強 + 前頬リフト(± 必要に応じて少量の脂肪切除)
これらすべてを行ってこそ、下眼瞼の根本的な改善が期待できるのです。
1. 目の下の脂肪除去(脱脂)
外見だけを見れば、方法は至ってシンプルです。
目の下が膨らんでいるため、その原因である脂肪を取り除けばよいと考えがちです。
実際に過去には、この手法が最も一般的に用いられていました。
手術直後は目の下のたるみ(目袋)が消失し、表面がなめらかに見えるため、患者様も最初は満足されることがあります。
しかし、時間が経つにつれて問題が顕在化してきます。
眼球を保護し支えていた脂肪は、単なる「不要な塊」ではありません。
一種のクッションの役割を果たす重要な構造物であり、これが失われると目の周囲の支持力が弱まってしまいます。

その結果、上まぶたや目の下がくぼんで二重幅が狭くなり、骨格が際立ってやつれたような、疲れた印象を与えるようになります。
さらに、老化が早まったように見えてしまうこともあります。
特に脂肪が不足した目元は皮膚が薄くなり、血管が透けて見えることでクマが悪化するリスクがあります。
つまり、脂肪除去だけでは根本的な問題を解決できないどころか、かえって新たな問題を引き起こしかねません。
そのため、私は不要に脂肪を取り除く方法はおすすめしていません。
2. 目の下の脂肪再配置(裏ハムラ法など)
上述の通り、脂肪除去だけでは根本的な解決にならないばかりか、かえって新たな問題を生じさせることがあります。
こうした問題があるため、近年では脂肪を単に切除するのではなく、位置を移動させて再配置する手法が多く行われています。
脂肪を取り去るのではなく、突出した部分の脂肪をくぼんでいるゴルゴ線(涙溝)側へ敷き詰めるように移動させ、補う方法です。
こうすることで膨らんだ部分は減り、窪んだ部分は満たされるため、目の下が一段と柔らかく滑らかになります。
確かに脂肪除去よりはずっと優れたアプローチです。
しかし、ここにも限界があります。
インディアンライン(ゴルゴ線)は改善されても、前頬が窪んでいる場合には、依然として疲れて見えることがあります。
つまり、目の下は整ったものの、顔全体が若返って見える効果までは不十分だということです。
患者様がよくおっしゃる「少し良くなったけれど、劇的に変わった気はしない」というフィードバックは、まさにここから生じます。

また、脂肪再配置だけでは隔膜が緩んだ問題を解決できません。
隔膜は脂肪を支える「壁」のような構造ですが、
これが弱くなっている状態で単に脂肪だけを移動させても、時間が経つにつれて再び膨らんできたり、凹凸が生じる結果になり得ます。
結局、「脂肪再配置」は「脂肪除去」よりは確実に一歩進んだ方法ではあるものの、
依然として前頬の窪みの補正と隔膜の補強が共に行われなければ、長期的な満足度は下がってしまうほかありません。
フェイスデザイナー キム・ソンフン院長の考察
下眼瞼は単に「膨らんでいる、窪んでいる」という言葉だけで定義できる領域ではありません。
脂肪、隔膜、筋肉、骨、前頬に至るまで全てが連動しているため、アプローチを誤るとかえって印象を損ねてしまうことがあります。
私は患者様にいつも強調しています。
「手術に正解は一つではありません。お顔の構造と状態を総合的に読み解かなければなりません。」
脂肪をやみくもに除去するのも、単に再配置するのも正解ではありません。
隔膜が弱くなっていれば補強をすべきであり、前頬が窪んでいればリフティングが必要です。
そのバランスが整ってこそ、初めて自然で長持ちする結果が生まれます。
私が「顔デザイナー」という名前を掲げている理由もここにあります。
デザインとは、ないものを無理やり作り出すのではなく、本来持っていた調和を蘇らせるプロセスです。
下眼瞼形成は若く見せるための手術ではなく、お顔が本来持っている活力を回復させる手術です。
実際に多くの患者様が手術後、「疲れて見える」と言われなくなったとおっしゃいます。
また、「童顔になった」という表現よりも「顔色が明るくなった」「自然に若返った」というフィードバックをくださいます。
これは単なる外見的な変化ではなく、表情と印象の回復です。
下眼瞼は顔の中顔面のバランスを象徴する部位です。
小さな変化のように思えても、このバランスを正せば印象全体が変わります。
だからこそ、私は常に誇張することなく、解剖学的な真実に基づいて手術を設計します。
患者様お一人おひとりの顔を画用紙と考え、その上に無理に色を塗り重ねるのではなく、本来のラインを活かす作業を行っています。
私はこれからも患者様が「整形をした」ではなく、
「疲れて見えない、自然だ」と言ってもらえるように、
フェイスデザイナーとしての哲学を守り続けてまいります。

フェイスデザイナー キム・ソンフンより
FAQ
Q1. 脂肪を完全に除去してはいけないのですか?
A1. 決しておすすめしません。再発、眼球のくぼみ、老化の加速が生じる可能性があります。
Q2. 脂肪再配置(目の下の脂肪再配置)だけでも大丈夫ではないですか?
A2. 短期的には改善されますが、前頬のコケ(へこみ)が解決されないため満足度が下がってしまいます。
Q3. 隔膜補強は必ず必要ですか?
A3. はい、隔膜が緩んで脂肪が飛び出てくるため、補強は必須です。
Q4. 前頬リフティングはなぜ必要なのですか?
A4. 前頬のコケを矯正しなければ、全体的に若々しい印象を作ることができません。
Q5. 手術の傷跡は目立ちますか?
A5. 切開線はまつ毛のすぐ下に位置し、時間が経てばほとんど見えなくなります。
Q6. ダウンタイム(回復期間)はどれくらいかかりますか?
A6. 抜糸は通常1週間後に行い、腫れや内出血は2〜3週間かけて徐々に引いていきます。
Q7. ヒアルロン酸注入や脂肪移植をすでに受けている場合でも手術は可能ですか?
A7. 可能です。以前の施術で凸凹になってしまった場合でも矯正できます。
Q8. 再手術はどのくらい難しいですか?
A8. 単純な脂肪除去や過矯正されている場合は難易度が上がりますが、十分に矯正可能です。
Q9. 年齢に関係なく可能な手術ですか?
A9. 30代から60代までどなたでも可能であり、年代別にアプローチ方法を異なって設計します。
Q10. 長期的に結果は維持されますか?
A10. 脂肪再配置+隔膜補強+前頬リフティングを並行して行うことで、長期にわたり安定した結果が得られます。
※ 本記事は、正確な情報をお伝えするため、手術前後の実際の姿を公開しています。
当該写真は患者様の同意のもと掲載されており、個人によってあざや腫れの程度が異なる場合があり、個人差が生じる可能性があることをお知らせいたします。
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